XPS(光電子分光装置 JPS-9200)
X線光電子分光装置(XPS)簡易マニュアル測定編20241219
X-ray Photoelectron Spectroscope Basic manual Aquisition section 20241219
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XPS(光電子分光装置)では、試料最表面(~6nm)の、3mmΦ~0.03mmφの領域についての元素分析、化学状態分析を行う事が出来ます。試料にX線を照射して、光電効果により試料表面から放出される光電子を分光・検出します。この光電子の運動エネルギーは各元素・化学状態での内殻電子状態(結合エネルギー)に依存している為、得られる光電子スペクトルから元素・化学状態の同定・定量を行えます。
測定出来る元素はLi以上の全元素で、Liが測定可能である点が特徴です。オージェ電子分光装置と比較すると有機物の分析を得意とします。検出下限は0.1~1atm%ほどです。 測定試料はホルダーへの搭載サイズ(最大90mmφ、厚み1.5mm以内)に収まっている固形物であれば、紛体であっても問題ありません。また、半導体や絶縁物であっても、チャージアップ現象を緩和させた測定も行えます。最大20点まで分析位置を指定して連続測定を行えます。 照射する標準X線はMg-Kα線、Al-Kα線の二つがあります。他にモノクロ化Al-Kα線を利用出来ます。エネルギー分解能は最大で0.65eV(モノクロAl-Kα利用時)です。 当装置はAr+イオンガンを搭載しており、試料にAr+イオンビームを照射して表面のエッチングを行えます。表面のコンタミネーションの除去や、Ar+エッチングと測定を繰り返す事で深さ方向のプロファイルを得る事が可能です。 測定法としては広範囲の光電子スペクトルを取得するWide scan、分解能を上げて各元素ピークの精密なスペクトルを取得するNarrow scanの他、Depth profile(Ar+エッチングを利用した深さ方向分析)、Angle resolved(試料を傾斜して深さ方向のプロファイルを取得)、Total reflection(X線を全反射させる条件で試料の最表面を分析)、Image(元素マッピング、線分析)があります。大気非曝露導入用のトランスファーベッセルが装備されており、試料の大気非曝露導入が可能です。
他には中和電子銃・電圧印加用ホルダーを用いた絶縁物測定も可能です。 専用の解析ソフトでは様々なスペクトルの編集・解析が可能です。スムージング化、チャージアップ補正、バックグラウンド除去、ピークフィッティング、相対的定量計算、膜厚計算など。当研究室ではXPS解析ソフトがインストールされたPCを開放しており、ユーザーの方はご自由にご利用頂けます。
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AES(オージェ電子分光装置 JAMP-9500F EBSD(OIM ORION検出器)付き、spectrum image機能あり)
オージェマイクロプローブ(AES)簡易マニュアル解析編20220420
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AES(オージェ電子分光装置)では試料最表面(~6nm)の電子ビームスポット径レベル(最小8nm)の領域についての元素分析・化学状態分析が出来ます。
試料に電子線を照射して、オージェ遷移によって試料表面から放出されるオージェ電子を分光・検出します。このオージェ電子の運動エネルギーは電子軌道の準位差に相当するエネルギー(特性X線に相当する)を持って放出されます。得られるオージェスペクトルは元素・化学状態に特有のピーク位置・形状を持つ事から、元素・化学状態の同定・定量を行えます。 測定出来る元素はLi以上の全元素で、Liが測定可能である点が特徴です。光電子分光装置と比較すると遷移金属の分析を得意とします。検出下限は0.1~1atm%ほどです。 測定試料はホルダーへの搭載サイズ(最大20mmΦ×5mmH)に収まっている固形物であれば、紛体であっても問題ありません。また、導電性があまりない試料であっても、チャージアップ現象をある程度緩和させた測定(中和電子銃、高傾斜での分析)も行えます。断面観察用ホルダーも用意があり、試料を立てて分析する事も可能です。 AES本体はショットキー電界放出型のFE-SEMであり、SEMとして2次電子像観察の他、反射電子像(COMPO像、TOPO像)の観察も行う事が出来ます。照射する電子線は加速電圧0.5~30kV、電流量10-11~2×10-7Aまでで、二次電子の分解能は3nmです。また、オージェ分析のエネルギー分解能(ΔE/E)は0.05%~0.6%です。 当装置はAr+イオンガンを搭載しており、試料にAr+イオンビームを照射して表面のエッチングを行えます。表面のコンタミネーションの除去や、Ar+エッチングと測定を繰り返す事で深さ方向のプロファイルを得る事が可能です。 測定法としては広範囲のオージェスペクトルを取得するWide scan、各元素ピーク位置のスペクトルのみを取得するSplit scanの他、Depth profile(Ar+エッチングを利用した深さ方向分析)、Line profile、Auger image(元素マッピング)があります。 データ処理では定性・定量分析、微分・平滑化処理、画像処理などが行えます。専用ソフト「spectra investigator」でのスペクトル波形分離計算も可能です。大気非曝露用トランスファーベッセルも装備があり、試料の大気非曝露導入が可能です。また新たに「Spectrum imaging」ソフトウェアを導入しました。測定視野の全ピクセルのスペクトル情報を内包したデータキューブを取得することで、全ピクセルのスペクトル情報を確認しながら、スペクトルデータから元素マップを作成することが可能です。
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また、AESにはEBSD(電子後方散乱回折)の結晶方位解析が可能な検出器も備えてあり、オージェ分析と共に同領域の菊池パターンを取得して結晶方位を解析する事が出来ます。EBSDはOIM社のORION検出器が装備されており、最大速度1700fpsでの測定が実施出来ます(試料によります)。100万点のIPF画像取得が10分程度で行える機種です。測定ソフトウェアはAPEX、解析ソフトウェアはOIM Analysis 8で、再スキャンも実施可能です。
AESやEBSDによる試料の断面分析では、加工歪みのない断面作製が何より重要です。当施設にはAESやEBSDでの断面分析に対応出来る断面作製が可能なCP(クロスセクションポリッシャ)、CCP(クライオクロスセクションポリッシャ)も用意があり、試料作製から分析・解析までを一貫して行う事が出来ます。
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SEM(走査電子顕微鏡 JSM-6510LA EDS装備)
エネルギー分散型X線分析装置(EDS)簡易マニュアル20200304
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SEM(走査電子顕微鏡)はタングステンフィラメントの熱電子銃タイプです。汎用型で非常に使いやすい仕様になっています。 分解能は最小で3.0nm(30kV)、加速電圧は0.3kV~30kVまで可変です。SEMとして二次電子像を取得出来る他、反射電子像(COMPO像、TOPO像)の観察も可能です。 EDS(エネルギー分散型X線分析装置)を装備しており、試料表面の元素同定、定量を行えます。測定法には点分析、エリア分析、線分析、マッピングがあります。
チャンバー内の真空排気には低真空モードが用意されており、10~270Paの低真空圧力での試料観察やEDS分析が可能です(反射電子像のみ)。生物試料や含水試料を特別な前処理なく、そのまま観察する事が出来ます。
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CP(クロスセクションポリッシャ SM-09010)
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クロスセクションポリッシャー(CP)簡易マニュアル20200827
試料の断面をArイオンビームで削り出して作成する事が出来ます。機械研磨で生じてしまうようなダメージ層を形成せず、綺麗な断面を作る事が出来るので、細かい層構造や微粒子のSEM断面観察はもちろん、EBSDの測定、AESの分析に適した断面を用意出来ます。
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AFM(原子間力顕微鏡 SPA-400)
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ナノメートルオーダーで試料の凹凸を測定する事が出来ます。カンチレバーホルダーはAFM用とDFM用が、スキャナーは20μm、100μmの2種類が用意されています。カンチレバーについては基本的にユーザーご本人にご用意して頂きます(ご相談下さい)。その他AFMを利用した特殊な測定・解析を行いたい場合についてもご相談下さい。
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LSCM(共焦点レーザー走査型顕微鏡 1LM21D)
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焦点距離がばらばらになるような厚い試料であってもボケのない表面の像を得る事が出来ます。 また、マイクロメートルオーダーで表面の凹凸情報を測定、3次元画像などの解析が出来ます。接眼レンズはx20、対物レンズはx5, x10, x20, x50, x100が装備されています。
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CCP(クライオクロスセクションポリッシャ IB-19520CCP)
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試料の断面をArイオンビームで削り出して作成する事が出来ます。機械研磨で生じてしまうようなダメージ層を形成せず、綺麗な断面を作る事が出来るので、細かい層構造や微粒子のSEM断面観察はもちろん、EBSDの測定、AESの分析に適した断面を用意出来ます。CPと異なり、加工中の試料の様子を内部CCDカメラで観察する事が出来ます。また本装置は液体窒素を利用してステージを-120℃まで冷却しながら加工を実施する事が可能な他、自動間欠照射機能、自動仕上げ加工機能もあり、熱ダメージに弱い試料などに有効です。さらにトランスファーベッセルによる大気非曝露輸送が行えたり、大型試料回転ホルダーによる表面加工が行えるなど、多機能な試料加工装置です。
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