身の回りの有機物の測定例

 X線光電子分光装置(XPS、JPS-9200)は特性X線照射により放出された光電子を検出・分光することで固体試料の最表面の構造評価が行えます。分光器のエネルギー分解能の高さから、組成情報だけでなく、化学結合状態の違いも知る事が出来ます。特に有機物系の試料では得られるスペクトル形状が比較的シンプルで結合状態を反映するケミカルシフトも大きく、文献値も豊富なため、有益な情報が多く得られます。有機物系の試料の場合、光電子放出に伴う帯電現象がスペクトルを歪ませてしまうことが多いですが、低加速の電子を試料に照射出来る機構を利用することで帯電を緩和した測定を実施することが可能です。ここでは様々な有機物試料の分析事例を紹介します。

その他の分析事例